安眠できる寝室はどんな寝室かご存知ですか?
寝室の環境が整うと、健康的で快適な睡眠が約束されるはずです。
「寝ても疲れがとれない」「夜中に目が覚める」「寝起きがすっきりしない」と感じているとしたら、
そんな日は日中ぼんやりなどしてちょっと困りますね。
熟睡できなかった理由に思い当たるふしがあればいいですが、考えても「ちっとも思い当たらない」というなら、もしかしたらあなたの寝室に問題があるのかもしれませんよ。
寝室のことって、意外に見過ごされてしまっています。
たとえ寝るだけの部屋であっても、快適な安眠にとっては、布団、リネン、湿度や温度、照明なども関係しているのです。
自分が心地よいと思える寝室の環境づくりを一緒に考えてみましょう。
眠りに導く寝室の明るさと照明・睡眠を誘うために
夜に500ルクス以上の青白い光を浴びると、睡眠を促すホルモンの「メラトニン」が減ってしまいます。
500ルクスという明るさは、コンビニの明るさ1000ルクスの半分です。
コンビニの店内はかなり明るいのですね、そのため夜はコンビニにはいかない方がよいです。
もちろんスーパーマーケットや書店、電化製品のお店なども同じような明るい店内になっているので、夜は行かない方がよいです。
そして眠る1~2時間前からは、暗めの赤みのある照明で過ごすと、リラックスした気分になれますよ。
寝室の照明を暗めにしておくこと、リビングの照明も夕食後は明かりを落とすのがよいです。
寝るときは照明を全部落として真っ暗にするか、豆電球程度の小さな明かり程度の暗さにします。
トイレに起きたとき真っ暗ではつまづきなどの心配がありますから、センサーで点灯するフットライトがあると安心です。
手元を照らす読書灯、背の高いスタンドなどの間接照明を利用して、好みの暗さにすると、眠りやすい環境になります。
参考「照度(明るさの度合い)」で比較しやすいもの
500ルクスという明るさを考えるのに、比較の対象として明るさの目安を書いておきます。
- 晴れの昼間 10万ルクス
- 曇り:10,000から1,000ルクス
- 昼白色の蛍光灯:300ルクス
- 電球色の蛍光灯:白熱灯150ルクス
- 夕日:100ルクス
朝の太陽の光で目覚めをリセット
朝は太陽の光を浴びると目覚めがよくなります。
太陽の光によって体内の睡眠リズムが調整されて、セロトニンというホルモンがでやすくなり、それによって夜の睡眠もスムーズなります。
「ホルモンを調整しているのが太陽の光」だということは、まぎれもない事実です。
これは生物として組み込まれている身体の仕組みなのですね。
ですから目覚めたらカーテンを開けて朝の光を浴びるようにしましょう。
曇りの日や雨の日でも、カーテンを開けて外の光を浴びるようにします。
明るさは晴れた日よりも劣りますが、体内の睡眠リズムを調整する力は十分にあります。
寝室を最適な気温と湿度に調整・快適感が違う
寝室に最もふさわしい気温と湿度、それは一年を通して室温16~26度 湿度50~60%です。
20度前後の気温は気持ちのよい気温で、熱くもなく寒くもなくで快適ですね。
湿度についても50%前後が、私たちが快適に過ごせる湿度です。
とはいえ通年このような快適な温度と湿度に保つのは難しいですね。
夏の快適な寝室の環境
夏は外気温が高いので、寝るときは室温25度から28度で保ちたいところ。
湿度は50~60%で。
一番眠りやすい気温は18度から22度と言われていますから、調整できるのであればその範囲の中で、自分が快適と思える温度をさがしてみてください。
冬の快適な寝室の環境
冬は外気温が低いので、暖房をしないと室温が10度以下のこともよくあります。
布団を調整することによって、室温3度以上であれば真冬でも問題はありません。
でもできるだけ温かく眠りたい人で、室温調整できるのであれば、眠りやすい温度22度くらいまでの範囲で、自分にあった快適な温度でお休みください。
冬もやはり湿度は50~60%が快適です。
湿度の調節方法
夏は湿度が比較的高く、冬は湿度が低いことが多いので、湿度計をおいて寝室の湿度を50~60%の快適な湿度に近づける努力をした方がよいです。
夏に湿度を下げるには、エアコンの除湿機能を使う、扇風機を利用する。
冬に湿度をあげるには、加湿器を利用する。
エアコンの利用には「タイマーを利用して寝付いて2~3時間後には切れ、起床予定の30分前くらいにスイッチが入るよう設定するとよい」
といわれますが、エアコンの性能や部屋の状況によっては、一晩中つけていた方がいい場合もあります。
部屋が乾燥しすぎると鼻やのどが渇き眠りが浅くなりやすいので、マスクをつけて寝るのも一方法です。
自分ひとりの寝室なら自分にあった方法を見つけやすいですが、同じ部屋で寝る家族がある場合は、家族の体調も考慮してくださいね。
寝ているときの布団の中の温度と湿度・一番快適なのは?
布団の中の温度は、季節を問わず33度前後、湿度50~60%に保つと快適です。
春と秋は、寝つきもよく快適に眠れることが多いと思いますが、それは布団の中の温度33度、湿度50~60%を保ちやすいからです。
夏の布団環境
日本の夏は全国的に湿度が高く気温が高いですね。
夏に布団にくるまって寝るとなると、室温をかなり下げて寝ることになりますが、布団の温度や湿度を快適に保つためには、エアコンや扇風機を直接身体にあてないように気をつけましょう。
身体の一部または全部が冷えてしまうと、夏バテや夏かぜをおこしかねませんので。
ちょっと贅沢ではありますが、隣の部屋に冷房をして間接的に冷気にするのもおすすめです。
夏は寝ている間にも汗をかきやすいので、吸湿性が高い寝具を利用する、除湿器やエアコンの除湿機能で湿気をとると、暑さを感じにくくなります。
冬の布団環境
夏と違い冬は空気が乾燥します。
湿度20%を下回る日もあり、1月2月は月平均としても40%台です(東京・2013年・気象庁)
湿度が低い日は特に注意が必要です。
- 加湿器を利用する
- 洗濯物や濡れタオルを室内に掛けておく
- オイルヒーターを使う
などで乾燥を防ぎましょう。
エアコンで室温をあげる場合は、乾燥が進みやすいので鼻やのどを傷めやすいです。
そうなると風邪をひきやすいので、湿度を50~60%前後に保てるように心がけてください。
音の効果を利用して快適な寝室に
寝心地のよい快適な寝室にするためには、静かであることが重要です。
静かでなければならないというわけではなく、慣れた音(いつも通りの車の走る音、商店街のざわざわした音など立地によってやむをえない音)であれば眠りに問題はありません。
しんと静まり返った環境が望ましいですが、現代の遮音性にすぐれた住宅では、室内のエアコンや加湿器の機械音の方がむしろ気になるかもしれません。
お手入れが行き届いていないと機械音がでやすくなるので要注意ですし、できれば静音設計のものを選びたですね。
騒音の目安
どんな音の大きさを騒音と感じるかですが、日常目にするものとしては、
- エアコン 約41~59デシベル
- 人の話し声 約50~61デシベル
- テレビ 約57~72デシベル
- お風呂 給排水音 約57~75デシベル
- 洗濯機 約64~72デシベル
(生活騒音の現状と今後の課題 環境省 より引用)
室外からの音が気になる場合の対策としては、
- 遮音カーテンをつける
- 防音シートをつける
- 後付けの二重窓をつける
などの対策をすると効果があります。
耳栓をすることで防音できる人はそれも利用してみてください。
眠り誘う音を利用するのもいい方法
眠りにつくときに、リラックスできる音楽を利用するのは効果的です。
- ゆったりしたテンポの曲
- 楽器のみで演奏される器楽曲(インストゥルメンタル)
- モーツァルトに代表される落ち着いたクラシック曲
- 虫の声・波・風などの自然の音
が眠りにつきやすいゆったりとした気持になれます。
寝室の色は落ち着きを重視して選ぶ
寝室の色は何より落ち着きのある色にしましょう。
神経を落ち着け、気持をリラックスさせる色は、トーナス値の低い色です。
トーナス値というのは、光に対する筋肉の緊張度を表す数値です。
それによると落ち着きのある色・トーナス値の低い色は、
- パステルカラー
- ベージュ
トーナス値の高い色は、
- 赤と緑
- 白と黒
といったコントラストの激しい色。
そしてビビットな色。
部屋の色構成を考える
三つの構成要素で色を考えるとまとまりやすです。
- ベースカラー:洋間でも和室でも部屋の大きな面積をとる天井や壁、床や家具はベースカラーで。
- サブカラー:ベッドリネンやカーテン、ラグなど次に大きな寝具など。
- アクセントカラー:クッションや小物など。
色を考えるとき、ベースカラーとサブカラーに落ち着きのある色とします。
アクセントカラーはビビット色
アクセントカラーには、サブカラーの補色(反対色のことで赤と青緑、青とオレンジ、黄色と青紫の組み合わせです)。
または濃い色、ビビットな色を選ぶようにします。
落ち着いた全体の雰囲気の中に、メリハリのある色使いをすることで、安らかな中にも立体感のある寝室ができあがります。
色については色のもつイメージなど色の特色がいわれていますし、好きなカラーがあると思います。
ベースとサブカラーはトーナス値の低い色
ベースカラーとサブカラーには、トーナス値の低い色の中から、自分の好みの色を使います。
アクセントカラーにはまさに自分の大好きな色で小さなワクワク感を用意するといいかと思います。
もちろん天井や壁、床などは自分で替えられない場合も多いので、ベースカラーがまずありきの上で、サブカラーを選んでいきます。
ベースカラーによく合う落ち着きのあるベッドリネンやカーテン、ラグなどのサブカラーを用意しましょう。
大切なのはゆったりと落ち着ける寝室です。
色の使い方でもリラックス度はずいぶん変わりますので、参考にしてみてくださいね。
ぐっすりすっきり眠れている人の快眠のための心がけ・朝と夜
毎日ぐっすりすっきり眠れている人は、いったいどんなことをしているのでしょう?
元気に毎日遊んでいる子供たちも、朝までぐっすり眠っている睡眠の達人ですから、子供に学ぶのもいいかもですが、
ここではもちろん睡眠上手の大人のしていることです。
これは「睡眠の基本と習慣」という文化出版社からの本と、「毎日スッキリ起きる技術」という光文社から出ている本を読んでまとめた内容です。
ぐっすり眠れている人にとってはありふれた日常なのですが、眠れていないあなたとどんなところが違っているのでしょう?
睡眠の達人がしている心がけ
眠るためには朝の習慣が大切なのかもしれないのです。
ぐっすり眠れている人は、朝からその人なりのきまった習慣があるようなのです。
それは人によって違うのですが、いわゆる朝のルーチンとなっている日常の習慣です。
- 朝は決まった時間に起きて、30分ほど散歩にいく。
- 朝決まった時間に起きて、シャワーをあびてから新聞を読む。
- 朝決まった時間に起きて、ラジオ体操をする。
- できるだけ食事は手作りでバランスを考えてとる
- 就寝2時間前には、テレビやパソコンを見るのをやめる。
- 寝室には1時間前に行き、照明を落とし布団で本を読む。
- 寝る前はリラックスできる音楽をかけて、ストレッチしたり雑誌を読んだりする。
- 寝心地のよい寝間着(パジャマ)を利用する。
- 体にあった好きな寝具を利用する
- 寝る前は愛ネコと遊ぶ
- 入浴はゆっくり38度から40度のぬるめのお湯で
- 入浴タイムを楽しむ工夫をしてリラックスできるようにする
- 夕食時間以降はカフェインのないものを飲む
- 夕食は決まった時間にとり、脂っこいものはなるべく避ける
- 晩酌はしても夕食時だけにして、眠りにつく直前まで飲まない
これらを見てみると、朝と寝る前の習慣に気を配っているのがわかります。
昼間の活動量も関係あり
昼間の活動は人によって違いますが、ある程度の活動量は必要です。
事務、パソコン作業の多い人は、身体を動かすことがないので運動不足になりがちで、活動量がへっています。
ぐっすり眠れないときは、歩く、サイクリングするなどの活動を増やしてみると、よく眠れるようになります。
日々の生活リズムを整える
生活のリズムが整っていると、睡眠のリズムも整います。
朝おすすめの整え方
- 同じ時間に起きる
- 朝の光を浴びる
- 朝食は同じ時間にとる
特に朝、脳に生活のリズムがインプットされることで、睡眠の質があがります。
昼間のおすすめの整え方
- 適度に運動をする
ストレス解消になり寝つきがよくなる、さらに熟睡しやすくなります。
夕食のおすすめの整え方
- 栄養バランスがよい和食のメニュー
- 消化のよい夕食を寝る3時間前までに
寝る前のおすすめの整え方
心地よく眠れる環境作りが大切です。
- 寝る前にほの暗い環境でリラックスする
ことでメラトニンが働きやすくなり寝付きやすくなります。
これらのことを全てのを実行するのは難しいので、できそうなことを一つふたつ取り入れてみることから始めてみてはどうでしょう。
子供のころのようにぐっすりと眠れて、スッキリと目覚めることができるって、とっても気持ちいいことですからね。
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