「女性の脳からストレスを消す食事」溝口徹著 三笠書房 を読んで。
この本は、栄養療法専門のクリニックを新宿に開設している溝口先生が書かれたものです。
栄養学からのアプローチで、精神疾患だけでなく他の多くの疾患の治療をされています。
結論は、題名そのもので、女性のストレスを食事によって消す方法を教えてもらえます。
「安定した心を保つには、脳がきちんと働いていることが前提条件です」ということで、脳をきちんと働かせるための栄養を十分脳に与えればよいのです。
ときくと、栄養のバランスのよい食事をとればいいわけだから、今まで通りの答えじゃん?と思うかもしれません。
でも、栄養のバランスがとれた食事をしている!と自負している人でも、考え方が違っていたのだと気づかされるはずです。
今までの栄養の意味を考え直す
今まで正しいと思っていた栄養の考え方が、この本を読むと過去のものになってしまうでしょう。
まんべんなく栄養をとっていると自負している人にさえ、栄養不足を指摘する先生ですから、最初は首をかしげたくなる話も多いと思います。
溝口徹先生によると、
- 脳を正常に働かせるために必要な栄養素で最も大切なのがタンパク質である。
- ストレスを受ける時に大量に失われる栄養素がたんぱく質・ ビタミン・ミネラルである。
- 摂取カロリーを気にしていても、脳に必要な栄養について意識してとっているとは言えず、栄養失調である。
- ストレスが人を緊張させる外的要因 、 イライラしたり不安になったりする外的要因が 大きくなると 脳のストレスがまし、 精神疾患をはじめ様々な病気を引き起こしやすい。
- 女性は男性と違い、一生涯に受けるストレスの量が多い。
ということで、 この本は女性のストレスの解消にかぎって書いてあります。
溝口先生がクリニックで対応してきた栄養療法による精神疾患の改善例を見ながら、 いかに女性が 栄養不足な状態にあるかを解き明かしていきます。
女性の年代別の心と体を整える栄養のガイド
実際に自分に足りない栄養素がどれなのかを判断できる目安がのせてあります。
それによって、自分がどの栄養素が不足しているかが分かるので、この本を読むだけで対応策も分かります。
医師がすすめる効果抜群のストレス解消法
ストレスを受けた時それを引きずってしまう人と、軽くかわせる人の違いがあると思います。
- いつまでもストレスを溜めてしまうタイプの人は、 このストレス解消法のヒントを知るだけでも大きなメリットと思います。
- 質の高い睡眠をとるための方法や、何かに熱中して「普段の生活とは違う別世界」を作ることが大切。
- 声を出して笑うことで免疫力がアップすると言うのはもう確実な方法です。
それでも襲ってくる強いストレスがあるとしたら、 その時はお酒で解消するんじゃなくて、 あるビタミンを意識的に口にすると良いそうです。
ストレスを溜め込まない、ストレスを克服しやすくする方法が、第一に栄養のとり方にあること、 自分にとって不足する栄養素が 何なのかを知ってそれを補えるように教えてくれます。
これって、本来ならば受診しなければ教えてくれないような内容だと思います。
溝口先生は、幼い頃からのアトピー性皮膚炎を、栄養療法で克服されています。
ご自身の体を使っての、 3日間にわたる血糖値測定の結果を、表にして解説されていますが、これを見ると、糖質をたっぷりとった時とそうでないときの違いの、 血糖値の高低差が如実にわかります。
血糖値の 急な上がり下がり「乱高下」が、 脳に大きなストレスを与え、脳内のホルモンバランスを崩し、その悪影響として多くの心身のトラブルが引き起こされるという結論です。
あまり難しく考えなくても良いと思います。
甘い食べ物や、ご飯パン麺類といった糖質の多い食べ物を減らすことで、 脳のストレスと心身の不調が改善するという内容です。
(チョコやケーキ、お饅頭はやめた方がいいということになります。。。)
「イライラする、不安が多い、周りにストレスばっかり、睡眠不足を感じている」なら、 この本はそういった 不調を改善する、良いきっかけになると思います。
10代の子供から閉経後の年代まで、すべての女性に参考になりますから、読んで遅かったということはありませんよ。
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