カラスの鳴き声が多くなったと思ったら、あちこちで生ごみが散乱してしまうように。
町内会では黄色いネットを使用してくださいと「おふれ」が出ましたが、黄色いネットをすればカラスはよけるのでしょうか?
生ごみの日の朝に出しても、ゴミ収集までの数時間にあらされているところがあります。
カラス対策を都心部で行うにあたっての、簡単ですぐできる方法はあるのか。
カラスの生態などを知って、できることを考えてみました。
カラスは黄色い色がきらいなのか?
「黄色いネットをかけるとカラスは寄り付かない」ということで、町の自治会から「黄色いネットを生ゴミ袋の上からかけてください」という「おふれ」(お願い)がありました。
これで問題が解決するという判断のようなのですが、それがちょっと疑問なのです。
というのも、黄色いネットの向こうにあるゴミ袋を突ついてゴミ袋を破いて漁るカラスがいるのを、何度も目撃しているからです。
「黄色いネットをかぶせても、あまり意味はないんじゃない?」
そんな想いで、黄色はカラスの嫌う色なのかどうか、カラスの生態とともに調べてみました。
カラスの目はとてもよい
結論!カラスの視力はとてもよいが黄色がわかるわけではない!
(つまり黄色い色をさけるわけではない!)
「カラスは優れた色覚を持っていて人間よりも色を見分ける能力が高い」と「カラス博士」と称される 宇都宮大学の 特任教授、塚原直樹先生(株式会社CrowLab(クロウラボ)代表取締役の方)が話されます。
塚原先生によると、人は赤・緑・青の波長の光に反応する3種類のセンサーがあるので三原色で見ているが、カラスは近紫外線も加えた4種類のセンサーを持ち四原色で見ている。
カラスは紫外線を認識することができるので、物を選別する際に紫外線が重要な役割を果たしているといいます。
カラスは無差別にゴミを荒らしているわけでなく、ゴミ袋の中身を認識して狙いを定めて生ゴミを漁っているそうです。
現在黄色に見えるゴミ袋が利用されていますが、それは 紫外線をカットできる特殊な顔料が練り込んだ であるそうで、
その顔料が人には黄色に見えています。
紫外線をカットする成分のためカラスの色覚を撹乱することができるわけです。
半透明の黄色いゴミの袋は2005年から、東京都杉並区杉並区を皮切りに使われるように。
その結果、顔料を練り込んだ袋の捕食率は、一般的なポリ袋にくらべ激減したのが神奈川県藤沢市の調査で分かっています。
(一般的なポリ袋だと76~94%だったのに対し、顔料を練り込んだ袋は6~24%だった)
カラスのゴミ荒らしが減った理由
カラスのゴミ荒らしによる被害が軽減したのは、黄色い袋にしたからということではなく、紫外線をカットする特殊な顔料が練り込まれた袋だったから。
見た目が黄色いのでカラスは黄色が苦手という風説が広まった のではないかと、塚原先生はいいます。
「黄色いゴミ袋ならカラスよけになるというのは誤り。
中身が見える防鳥ネットを黄色くしてもカラスに対しては効果がない。」
(2020年4月14日ヤフーニュース配信を参考)
カラスの生態・繁殖期
カラスは3月中旬から8月にかけて繁殖活動をします。
ヒナをを産んでヒナが巣立つまでの間は、周りを警戒しやすなります。
神経が過敏になったカラスは警戒している時は繰り返し短く鳴きます。
8月になればヒナが巣立ち、その後巣に戻ることはなく、以降は公園や神社などでくらします。
カラスの苦手なもの
カラスの苦手なものには何があるか。
- 強い光
- 大きな音
- 超音波
- 人の視線
CDが吊るしてあるのは、強い光を嫌うのを利用したカラスよけ。
また人が見ていると、その場を去りますね。
こうした苦手を利用して、カラスを寄せ付けないようにしていくわけですが。
都心部の人口密集地でできる対策
私の住む地域は人口が密集している住宅地です。
こうした環境でできるカラス対策を考えました。
家のすぐ横の道沿いに生ごみの袋を出すにあたり、カラスをよける方法として現実的なことは、
先のカラスの苦手なもの、
「強い光」「大きな音」「超音波」を利用するのはちょっと無理です。
そして「人の視線」としていつもカラスが来ないよう監視の目をむけているのも無理です。
そして「黄色い防鳥ネット」は意味がないということですから、どうするか。
すぐできるゴミの日対策
当たり前ですが、「ごみを出す時間を守る」。
当日の朝8時までに出すことになっていますが、回収が午後になるとカラスの被害がおこります。
回収の時間がわかれば、その直前(1時間以内くらい)にだせばよいことになります。
- 「生ごみが見えないように包んでごみ袋に入れる」
- 「ごみ箱に入れる、ごみの周りをおおう」
- 「生ごみを減らす工夫をする」
ということも自治体からすすめられています。
このうち「生ごみが見えないように包む」のは、やりやすいです。
新聞紙にくるむのがよいといわれますが、新聞でなくても生ごみが見えないようになっていればよいです。
調べていくとカラスは生ゴミが見えていなければ寄り付かないようです。
カラスはエサとなる生ごみを求めて集まるため、生ごみが少なかったり、外から見えなければ、寄り付きにくくなります。 また、カラスは鳥類の中でも大変学習能力が高い鳥なので、それまで被害を受けていたところでも、エサにありつくことができなくなれば、しだいに寄り付かなくなります。(大阪府堺市) |
外から見えない状態で出される集積所には、カラスはまったく寄り付きません。(山梨県市川三郷町) |
という自治体のHPの記載も見つかりました。
ごみの出し方に気をつけてもカラスの被害にあった場合は、「防護ネットやビニールシート」などでゴミ袋を覆う。
という方法をとると間違いがないでしょう。
カラスよけに黄色いネットは有効?すぐできるゴミの日対策・まとめ
カラスのごみ荒らし被害を防止するには、地域全体でとりくむことが必要ですね。
生ゴミが全く見えないようにすることで、荒らされることもなくなるはずです。
「黄色い防鳥ネット」はそれ自体でカラスよけにはならない。
生ゴミをしっかり包んでゴミ袋の中心にいれ、全くみえないようにしてこれからも出していきます。
今までもそれで被害にあったことはありません。
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