赤ちゃんが生まれてほっとするのもつかの間、お母さんはきっとぐったりと疲れていることでしょう。
初めての授乳を経験する人にとって、赤ちゃんの扱いも未知のものなら、お乳を飲ませるというのも未知の出来事ですよね。
さあこれから始まる育児のスタートは、母乳を与えることです。
不安も大きいでしょうが、ちゃんとお乳を飲ませることができ、赤ちゃんも順調に成長していきますよ。
生まれて間もない赤ちゃんの授乳
生まれたばかりは眠ってばかりいます、だいたい一日のうち12~18時間ほどは眠っています。
最初の授乳時間は病院によって違いがあるようですが、とりあえず病院の方針通りにすすめます。
初乳はお乳の準備
最初の2日、3日のうちは本当のお乳は出ずに、初乳と呼ばれる液体が少しでるだけです。
たったこれだけでと残念におもう必要はありません。
赤ちゃんは最初の3日くらいはほとんどお腹がすかず、これから出るお乳を待っている時期なのです。
この時期はまだ吸わせる時間は短くてよく、5分程度が多いはずです。
乳首の準備もまだ整っていない時期です。
母体の体力を回復させるため、夜中の授乳をやめることも多いはずです。
赤ちゃんと同室ならいつも見ていられるので、赤ちゃんが欲しそうなときいつでもお乳をやることができます。
まだ十分にお乳がでないお母さんでも、赤ちゃんが目をさますたびにお乳をあげていれば、乳房をからにすることができるので、ゆくゆくは母乳の出がよくなります。
赤ちゃんが新生児室にいて、決まった時間にしか赤ちゃんが部屋に来ない場合より、お乳の出は早くによくなって母乳育児のスタートとしては好都合でしょう。
お乳が出始める時
お乳が出始める時期や出方は、人によって違いがあります。
たいていは赤ちゃんが生まれて3日か4日たつころに出始めます。
二人目や三人目のお子さんの場合は、もっと早くにではじめることが多いです。
出始めがはっきりとわかる人もいれば、だんだんとお乳が張るようになって少しづつ量が増える人もいます。
赤ちゃんも最初はあまりお腹はすかないようで、目を覚ますことはあってもはっきりとお腹がすいたというわけでもないようなのです。
赤ちゃんがお腹がすくのは3~4日後
3日か4日経つと、赤ちゃんもハッキリとお腹を空かして目を覚ますといいます。
自然はとてもうまくできているものですね。
そして生後6日めくらいまでは飲みたがる回数が多く、日に10回くらいは飲みたがるようです。
でもこれはお乳の出が悪いからということでもなさそうなのですよ。
赤ちゃんが最初こんなに多くお乳を欲しがるのは、乳房に刺激を与えるためなのです。
お乳をたくさん出すための刺激を、吸うことで与えていて、お乳を出させる脳下垂体からのホルモンが、このころ強く働き始めることがわかっています。
最初のころはお乳が張りすぎているのでは?また足りないのでは?と気になるものですが、
ホルモンの働きも次第に整ってきて、今度は赤ちゃんの飲み加減によって、お乳の出方が決まってくるようになります。
とても自然な流れで、必要なお乳が分泌されるようになっていきます。
生後第二週めは、まだ赤ちゃんがほしがるだけでないこともあります。
でも今後赤ちゃんのお腹のすき加減によって、どれだけのお乳を作ればいいかをお母さんの体はちゃんとわかるようになってくるので心配はいりません。
赤ちゃんの月齢が大きくなって、たくさんほしがれば、乳房でもそれに合わせてお乳をたくさん作れるようになるんですよ。
生後間もない赤ちゃんの嫌がることは
生まれたばかりの赤ちゃんでも、嫌がることがあります。
それは頭を押さえて無理に乳房の方へ向けさせようとすることです。
赤ちゃんは頭をおさえられることが大嫌いなのですよ。
きっとジタバタすることでしょう。
それからまだ嫌がることがあります。
それは両頬を指ではさんで、無理に口を開けさせようとすることです。
赤ちゃんは頬をさわられると、そちらに口を向けようとする本能があり、これは乳首を探す本能なのでどうしようもありません。
両方の頬を一度に挟むと、どちらに顏を向けていいのかわからずイライラしてしまいます。
飲んでほしいと思うあまり、顏を向けさせるのは赤ちゃんにとってストレス以外の何物でもありません。
飲みたがっているようなら、乳首を赤ちゃんの口に触れさせるだけです。
その時も本当に飲みたがっているわけでなければ、イヤイヤをするかもしれないですね。
まだお乳を飲む経験が浅く、どう振る舞ったらいいのか全くわからない赤ちゃんなので、お母さんがイライラしてもしかたありません。
他におむつがぬれていないか、暑くないかなど気遣って、辛抱強くお乳をふくませるなどしてください。
赤ちゃんも何度も経験するうちに、お乳を飲むのはどういうことなのか、どうやったらうまく飲めるのかがわかってくるのですから。
※三人の子育て経験と初孫へのアドバイス中の考えや意見です。
母乳で育てたい、仕事を持つ母親の悩みについて
出産後にお勤めに出なければならないお母さん、母乳にしようかミルクで育てようか・・・悩んでいる人もあるでしょう。
できれば母乳にしたいけど、母乳を続けながら仕事も続けられるのか不安ですね。
どのくらい産後の休暇があるのか、家を空ける時間が何時間くらいなのかでも違いがありますが、一日に家をあける時間が7~8時間程度なら、母乳育児を続けていけますよ。
授乳のたびにじかに赤ちゃんに飲ませることはできなくても、ミルクをほんのわずかプラスするだけで、母乳を出し続けることはできます。
仕事を持つ母親が母乳を続けるには
産後の休暇は8週間が一般的です。
まれに6週間で復帰する人もありますが、その後子供が一歳になるまでは、1日2回各々少なくとも30分間の育児時間を請求できることになっています。
いつ育児時間をとるか、仕事中は誰にあずけるか、通勤時間はどれくらいかかるのか、そういった要素によって家を空ける時間は変わってきますが、
7~8時間程度あけるというのであれば、母乳を与え続けることはできます。
仕事中は赤ちゃんと離れるので、当然授乳できません。
でもお母さんの体の中でお乳は作られるので、休憩時間に搾乳をします。
搾乳したら専用の容器(母乳フリーザーパックなど)に入れて冷凍し、翌日赤ちゃんと一緒に預けます。
赤ちゃんがお腹がすいたら、冷凍母乳を解凍して、哺乳瓶で与えてもらいます。
家にいる間は乳房を吸わせて、搾乳を一度行うのを続ければ、母乳はずっと出続けます。
もし搾乳の量が少なければ、ミルクを足してもらうことになりますが、昼間の搾乳を怠らない限り大丈夫です。
後になってから母乳に戻すことはできないので、月例が小さいうちはとにかく母乳を飲ませるようにし、できるだけミルクへの移行を遅くするように努力すれば、
離乳食がはじまっても母乳を続けていけます。
仕事を始めるととても疲労もたまることでしょう。
あまりに疲れる、母乳ではやっていけないと思うことがあっても、できるだけ長く母乳を続ける気持ちでいることが大切です。
母乳をあげられないと愛情不足になる?
仕事を持つお母さんの悩みは、母乳が続けられなくなったら、愛情不足で赤ちゃんに悪い影響を与えるのではないか?ということではないでしょうか。
母乳は確かに大切なもので、母乳で育てたいと思うお母さんにとって、母乳がでないという状況は赤ちゃんへの愛情が足りないとレッテルをはられてしまうように感じるかもしれません。
仕事もしたい、でも母乳を続けるのは困難、そんなとき母親失格になってしまうのではと胸が痛みます。
でも仕事をしたから、そのために母乳をやめることになったから(またはでなくなってしまったから)、お母さんとして愛情不足だと考える必要はないですよ。
注意してミルクを作って、優しく抱いて見つめて、愛情をこめてミルクをあげれば、母乳をあげるのと同じ栄養と愛情をあげていることになります。
人工栄養だからといって栄養的には劣るわけではありませんし、立派に成長します。
母乳育児は重要だという意見が多いですから、そうしないとこの子が不幸になるのでは?と不安になりがちですが、はっきりとした証拠はないものです。
母乳育児でなければと思い詰めるのは精神的につらくなります。
仕事をしてイキイキと子供も育てている先輩お母さんたちと話す機会が持てると、もっと柔軟に育児を考えられるようになるでしょう。
「赤ちゃんか仕事か」という選択ではなく、両方大切だから、両方とも一生懸命できることをやればいいと思います。
一生懸命やっていれば、家族も子供も、ちゃんと母親の愛情がわかって安心するものです。
愛情の表し方は母乳だけではありません、いろんな表し方がありますから、どちらも頑張るという気持ちでやっていけばよいかと思います。
※三人の育児経験で、仕事をずっとフルタイムで続けてきた体験からの個人的な考えです。
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