煮物などに使うみりん、家庭では欠かさない調味料のひとつですが、「本みりん」や「みりん風調味料」といったいどう違うのでしょう。
なんとなく使っているのですが「本みりん」が一番おいしいと感じます(お値段高いし)。
ずっと使ってきたのに値段だけの違いしか分からないのが本音です(^-^;
そこで今さら聞けないので、違いを調べてみました。
そして、どんな料理に合うのか、使い分けはどうしたらいいか。
「みりん」「本みりん」「みりん風調味料」を比べてみました。
そしてみりんとよく似た調味料「料理酒」についても最後に。
「みりん」・「本みりん」「みりん風調味料」とは
最初に「みりん」と「本みりん」は同じだったという報告をします。
商品に「○○味醂」「○○みりん」と表示されているものは、本みりんのことをいいます。
「みりん」=「本みりん」で、同じものを指しています。
ここでは以降「本みりん」と書きますね。
ではまず、どのように作られているかから。
「本みりん」とは
原材料は、酒税法で定められた原料で、
- もち米
- 米麹
- 焼酎または醸造アルコール
- 糖類など
アルコール分は約14%で塩分はゼロです。
糖分約40%。
「本みりん」の特徴は煮崩れを防ぎ、コクとうまみがある。
「みりん風調味料」とは
原材料は、
- 糖類
- 米
- 米麹
- 酸味料
- 調味料など
アルコール分1%未満、塩分1%未満です。
糖分は55%以上。
利点としては煮切り(アルコールを蒸発させる)の必要がない、値段が安い。
「本みりん」と「みりん風調味料」、料理の特色
では、どのような料理にどちらを使うのがよいのでしょう。
その前に、「本みりん」の特色を確認してみます。
これは「全国味醂協会」のホームページに書かれていた本みりんの特徴です。
「本みりん」の特徴
- まろやかな甘みがある
- 艶を出す
- 煮崩れを防止する
- 深いコクと旨み
- 味が染み込みやすい
- 魚や肉の臭みを消す働きがある
煮物には最適な調味料といえそうですね。
では「みりん風調味料」の特徴はというと、
「みりん風調味料」の特徴
- 魚や肉の臭い消し
- アルコール分があるので味の浸透性を高める
- 本みりん同様糖分が高いので 照り・艶をつけたい料理に
- 塩分を含むのでその点調整が必要
料理としては塩分に気を付ける以外は、「本みりん」と同じ煮物類に使えます。
加熱を必要としないドレッシングや和え物にも利用できます。
そのほかの特徴として、
- 酒類として扱われないため「本みりん」よりも価格が安い
- アルコール分が少ないので保存性が低い(冷蔵庫で保存が適している、長期保存には向かない)
熟成させた「本みりん」は旨味がさらにアップ
「本みりん」は糖化熟成という方法で作られます。
熟成が進むに従って色が濃くなり、味もまろやかでコクがさらにまします。
日本の伝統的な製法は、 上質なもち米を原料にし和釜で蒸煮。
仕込み後のみりんもろみを長期糖化熟成するというみりん本来の製法。
乙類焼酎(米焼酎)を用いて 、醸造・熟成期間は1年~2年。
さらに熟成をすすめ、 10年、20年と熟成させた本みりんもあります。
熟成期間が長いほど コクや旨味が増し値段も高くなります。
料亭などで使われる「高級みりん」として、深いおいしさを出すすぐれた調味料です。
◆甘強みりんさんで買った「本味醂」10年もの(左)
去年買った10年ものの「本みりん」は、瓶は透明ですがみりんの色が琥珀色です。
味わうとキャラメルシロップのような味で、洋菓子にも使われることがあるそうです。
また20年ものの「本みりん」は最高級のみりんで、なめてみるとプリンのカラメルソースと似た味です。
洋菓子店に卸しているとおっしゃってました。
それほどまでにコクと旨味たっぷりの甘さがあります。
ただ甘くてもアルコール度数は14%ありますから、お酒に弱い人はそのまま味わうのはよくないですね。
あまりにおいしいので、煮物料理に使うのはもったいないくらいです。
「本みりん」と「みりん風調味料」料理に使うときのまとめ
- 本みりんはお酒の仲間、煮物に向いている(アルコールを蒸発させる)。
- どちらも臭みを消し、照り・艶を出す効果がある。
- 熟成が進んだ「本みりん」はさらにコクが深く味わいが増す。
- 「みりん風調味料」は塩分を考慮すれば、本みりんと同様に使える。
- 「みりん風調味料」は火を通さず使えるのでドレッシングや和え物にもOK。
煮物にみりんは欠かせない調味料ですね。
火を通さず使える点で「みりん風調味料」も和洋に使える調味料だとわかりました。
「料理酒」もみりんと同様に使えばいい?
「本みりん」「みりん風調味料」がわかったので、ついでに「料理酒」も同様に使えるかどうかを調べてみました。
料理酒は一言でいうと「飲めない日本酒」。
アルコール度数は14%ほどありますが、飲めないように処理されているので酒税法の税金はかかりません。
お酢や塩を加え調味料を添加するなど、より料理に向くようにしたもの。
「料理酒」の特徴は
- 生臭みを消す
- コクと旨味を与える
- 味がしみ込みやすくする
- 素材を柔らかする
- 塩味を加える(塩分濃度約2%)
「素材を柔らかくする」以外は、みりんとほぼ同じような働きをしますね。
煮物料理にも向いているといえますね。
「料理酒」を使う際には、好みの味に仕上がるものを見つけることと、塩分に気を付けて利用すると覚えておくといいですね。
もちろんアルコールがあるので「煮切る」ことも。
ちなみに海水は3.4%くらいの塩分濃度なので、料理酒の2%はけっこう塩気あるかも。
おわりに・上手に使い分け
「本みりん」はお値段高いですがコクと旨味が増すので、「みりん風調味料」と上手に使い分けて利用したいと思いました。
我が家は「料理酒」を今は使っていません。
日本料理のプロが料理に「日本酒」を使うように、日本酒と料理酒も使い分けがうまくできるようになると、本当の主婦といえるのかもしれないですね。(主婦歴長いですができてません。。。)
今回は「本みりん」と「みりん風調味料」について調べてみました。
上の写真は蟹江町という愛知県三河地方の本みりんですが、三河地方はみりんを製造している老舗が多いです、そんな中のひとつ。
赤味噌(八丁味噌・豆味噌)は本当に万能調味料といえると思います⇒「コクが違う!赤みそで激うま料理に変身・万能調味料だったなんて」
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