家族葬では、故人を偲ぶ大切な場です。
その際に、遺族や参列者に感謝やお詫びの気持ちを伝えるためには、挨拶状を用意することが一般的です。
今回は、家族葬における挨拶状の例文を紹介し、忌明けや香典返しの際にも役立つ内容をお伝えします。
家族葬で必要な挨拶状とは
家族葬で必要な挨拶状とは、故人の遺志により家族葬を執り行ったことや、参列者への感謝の気持ちを伝えるために送るものです。
家族葬の挨拶状は、以下の5つの要点を記して送ることが一般的です。
- 故人と喪主の関係
- 家族葬で執り行った旨
- 参列への感謝
- 生前の感謝
- 今後とも関係を続けたい旨
家族葬の挨拶状は、句読点や行頭下げなど和文におけるルールに注意して書く必要があります。
また、宗教ごとに用語や表現が異なる場合もあるので、気をつけましょう。
どんな封筒や紙に書けばいい?
家族葬の挨拶状は、白い封筒と白い紙に黒いペンで書くのが一般的です。
封筒には「御挨拶」と書き、宛名は故人と親しかった方の名前を記します。
紙は四つ切りや半切りなどの大きめのサイズが好ましいです。
また、紙には故人の写真や香典返しを同封することもありますが、家族葬では必須ではありません。
いつまでに送ればいい?
家族葬のあいさつ文は、通夜や葬儀の場面によって異なります。
一般的には、通夜では故人との関係や感謝の気持ちを伝えることが多く、葬儀では参列者へのお礼や今後のお願いを述べることが多いです。
あいさつ文は、できるだけ早めに準備することが望ましいですが、最低限通夜や葬儀の前日までには用意しておくべきです。
家族葬の忌明け挨拶状例文
家族葬の忌明け挨拶状は、故人が亡くなったことと、家族葬を行ったことをお詫びするものです。
また、香典や供花などをいただいた場合は、お礼も述べます。
挨拶状は、忌明けした後に出すのが一般的ですが、年末や年始に重なる場合は喪中はがきと兼ねることもあります。
挨拶状の書き方は、仏式や神道、無宗教などによって異なります。
以下に例文を紹介します。
仏式の場合/忌明け挨拶状例文
謹啓
ご尊家益々御清祥のこととお喜び申し上げます
先般 亡父(名前)儀 死去に際しましてはご丁重なるご厚志を賜り厚く御礼申し上げます
故人は皆様方から多大なるご恩を賜りましたこと心より感謝しております
この度は家族葬であったためご連絡が遅れましたこと深くお詫び申し上げます
今後も変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます
敬具
記
忌明け日 平成○年○月○日
喪主 (名前)
住所 (住所)
電話番号 (電話番号)
家族葬の香典返し挨拶状例文
家族葬の香典返し挨拶状は、故人に代わって香典や供花などをいただいた方々にお礼を述べるものです。
香典返しは、四十九日の法要が終わった後に行うのが一般的です。
挨拶状は、仏式や神道などによって異なります。
以下に例文を紹介します。
仏式の場合香典返し挨拶状例文
謹啓
ご尊家益々御清祥のこととお喜び申し上げます
先日の父 葬儀に際しましては
ご厚志を賜り誠にありがとうございました
おかげをもちまして
月 日に四十九日の法要を営むことができました
故人は皆様方から多大なるご恩を賜りましたこと心より感謝しております
この度は家族葬であったためご連絡が遅れましたこと深くお詫び申し上げます
今後も変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます
敬具
記
忌明け日 平成○年○月○日
喪主 (名前)
住所 (住所)
電話番号 (電話番号)
挨拶状の書き方や注意点
挨拶状の書き方や注意点について、以下のようなポイントがあります。
- 挨拶状は、季節に応じた時候の挨拶と用件を記載します。
- 挨拶状では、句読点を使用しません。
- 句読点は昔から使われておらず、失礼にあたるとされています。
- 挨拶状の宛名は、敬称を正しく使います。
- 個人宛の場合は「様」、法人宛の場合は「御中」を使います。
- ただし、「御中」は一般的な社名や団体名に対して使い、「○○部長御中」など役職名に対しては使いません。
- 挨拶状では、誤字脱字や忌み言葉に注意します。
- 誤字脱字は印象を損ねるだけでなく、意味が伝わらなくなることもあります。
- 忌み言葉は「切る」「終わる」「死ぬ」など不吉な言葉で、避けるべきです。
以上が挨拶状の書き方や注意点です。参考にしてください。
挨拶状を横書きする場合と縦書きする場合の違いはある?
挨拶状を横書きする場合と縦書きする場合の違いについて、以下のようなことが言えます。
挨拶状は、通常は縦書きで作成されることが多いです。しかし、最近では横書きで作成することもあります。
縦書きは、伝統的で格式の高い印象を与えます。横書きは、現代的で親しみやすい印象を与えます。
挨拶状以外に送るものはありますか?香典返し
家族葬の挨拶状は、葬儀に参列していない故人の知人などにも送るものです。
家族葬が終わった後に出す場合は、故人と喪主との関係や感謝の気持ちなどを書くと良いでしょう。
挨拶状以外に送るものとしては、香典返しや年賀状などがあります。
香典返しは、香典を頂いた方にお礼として贈るもので、金額や品物によってマナーが異なります。
年賀状は、喪中はがきでお知らせすることも一般的ですが、家族葬であれば年賀状を出すことも可能です。
香典返しの金額や品物について
香典返しの金額は、頂いた香典の1/2~1/3程度が相場です。
例えば、1万円の香典をいただいた場合、半返しなら5000円程度、3分の1返しなら3000円程度のお礼の品物を用意します。
香典返しの品物は、消えものやカタログギフトが一般的です。
お茶やコーヒー、海苔などの食品や、タオルやハンカチなどの日用品がよく選ばれます。
ただし、「四つ足生臭もの」(肉や魚など)は香典返しとしてNGです。
香典返しを送る時期はいつ
香典返しを送る時期は、一般的には四十九日が過ぎた後、つまり忌明け後に送ります。
通常は四十九日の法要を終えてから2週間以内に贈るのが望ましいです。
ただし、お通夜や葬儀の当日にお返し物を渡す「当日返し(即日返し)」という方法もあります。
この場合は、金額に関係なく品物を渡すのがマナーです。
掛け紙(のし)の書き方は?
香典返しの掛け紙(のし)の書き方は以下のようになります。
表書き(水引の上部)は「志」や「忌明志」とするのが一般的です。
ただし、宗派や地域によっては「満中陰志」や「偲び草」とすることもあります。
下段(水引の下部)には贈る人の名前を記します。
敬称は「様」か「殿」をつけます。
お相手が複数人であれば、代表者の名前を書いて「一同」と添えます。
お相手が法人であれば、会社名や団体名を書いて「従業員一同」と添えます。
香典返しが遅れた場合はどうすればいい?
香典返しが遅れた場合は、なるべく迅速にお返しを贈る必要があります。
特に、自分が忘れていた場合は、通常のお礼状の内容に加えて失礼をお詫びする言葉を必ず盛り込みましょう。
香典返しを贈る時期は一般的には忌明けから1ヶ月以内とされていますが、これはあくまで目安です。
遅れた理由やお相手の宗派によっても異なりますので、事情を説明してご相談することもできます。
遅れた理由や宗派によってどう異なる?
遅れた理由や宗派によって、香典返しの贈り方は以下のように異なります。
遅れた理由がお相手からの香典の送付遅延や住所不明などであれば、通常通りに香典返しを贈ることができます。
遅れた理由が自分の都合や忘れなどであれば、お詫びの言葉を添えて香典返しを贈ることが必要です。
また、金額を多めにするか品物をグレードアップすることも考えられます。
宗派によっては忌明けの時期が異なります。
仏教では一般的に四十九日後、神式では三十三日後、キリスト教では四十日後が忌明けとされています。
そのため、お相手の宗派に合わせて香典返しを贈ることが望ましいです。
家族葬のための挨拶状例文/忌明け・香典返しも紹介まとめ
家族葬での挨拶状は、遺族や参列者に感謝やお詫びの気持ちを伝える大切な手段です。
忌明けや香典返しの場合にも、適切な内容の挨拶状を用意することで、お互いの心を通わせることができます。
挨拶状の書き方や注意点を押さえつつ、適切な言葉で気持ちを伝えるようにしましょう。