海洋散骨とは、故人の遺骨を海中に散骨することで、その人生や思い出を海に還す方法です。
海は広大で美しい自然の中で、永遠に続くと思われる波と風の中で、散骨された遺骨は自然と融合し、生命の循環の中に戻ります。
本記事では、海洋散骨について、手順や注意点、必要な手続きや費用について詳しく解説します。
海洋散骨とは何か?意義やメリットを知ろう
海洋散骨とは、海に故人の遺灰や遺骨を放って弔う葬送方法のひとつです。
故人が海が大好きだったりする人で、自然の一部に還ることにロマンを感じたり、生前から海洋散骨を希望していることが一般的です。
海洋散骨の意義やメリット
海洋散骨の意義やメリットは、以下のようなものがあります。
- 故人の最後の願いを叶えることができる
- お墓に納骨しないため、墓地代や管理費などがかからない
- 遠方に住む親族や友人も参加しやすい
- 海洋生物や環境に優しい
ただし、海洋散骨には法律やマナーなどもありますので、注意点も把握しておく必要があります。
海洋散骨の手順と注意点/海洋散骨を行う方法や流れは
海洋散骨を行う方法は、以下のようになっています。
- 遺骨の粉末化(粉骨): 専用の粉骨機と、乳鉢・乳棒を使って2mm以下のきれいなパウダー状に粉骨をします。
- 海洋散骨の実施: 海に粉末状にしたご遺骨を撒きます。
- 酒や花のお供え(献酒・献花): 海を清めるために献酒をおこない、ご遺骨の位置を表すに献花を撒きます。
- 散骨証明書の送付:後日、散骨証明書をお送り致します。
- 希望に応じて、散骨後は法要クルーズなど定期的な供養も可能です。
海洋散骨は、専門業者や船会社などが提供しています。
遺族も含めた流れとしては以下のようになります。
- 遺族が参加する場合は、専門業者が用意した船に乗り込みます。
- 遺族が参加しない場合は、専門業者が代行して散骨します。
- 散骨地点に到着したら、遺灰を特別な容器や紙袋に入れて海に投げ入れます。
- 遺族が参加する場合は、手で直接遺灰をまくこともできます。
- 散骨後は、花や線香を供えたり、祈りを捧げたりします。
- 遺族が参加する場合は、記念写真やビデオ撮影も可能です。
- 散骨証明書や記念アルバムなどのサービスもあります。
- 海洋散骨の費用相場は約10万円から50万円程度です。
ただし、船の規模や人数、サービス内容などによって変わります。
事前に予約や打ち合わせが必要です。
また、天候や海況などによっては延期や中止になる場合もあります。
海洋散骨を行う際の適切な場所とは?
海洋散骨ができる場所は、人が立ち入ることができる陸地から1海里以上離れた海洋上のみです。
河川や湖などの内水面では散骨を行ってはいけません。
日本全国には、海洋散骨を提供する業者や船会社があります。
東京・横浜・湘南などの関東地方や、大阪・神戸・和歌山などの関西地方、北海道や沖縄などの離島も含めて、約15の海域で海洋散骨ができます。
希望の場所を選ぶ際には、故人の思い出や趣味、交通アクセスや費用などを考慮すると良いでしょう。
故人に合った場所を選ぶポイントは?
故人に合った場所を選ぶポイントは、以下のようなものがあります。
- 故人が生前に好きだった海や景色
- 故人が旅行や趣味で訪れたことのある海域
- 故人が住んでいた地域や出身地に近い海域
- 故人のご家族や親族が参列しやすい場所
また、散骨後に法要クルーズなどの供養を行う場合は、その内容や時間も考慮する必要があります。
法要クルーズとはどんなものですか?
法要クルーズとは、散骨した場所に再びクルーザーで向かって、故人を供養するサービスです。
散骨証明書に記された緯度や経度をもとに、散骨から何年経っても同じ場所でお参りすることができます。
法要クルーズでは、お花や写真などのお供え物を持参したり、お経や音楽を流したりして、故人の思い出を偲ぶことができます。
また、法要クルーズの後には食事会や観光なども楽しむことができます。
海洋散骨に必要な手続きと費用について
海洋散骨に必要な手続きと費用について、おおよそ以下のようになります。
海洋散骨には、特別な許可や届け出は必要ありませんが、ご遺骨を粉骨する作業や、散骨を行う場所や方法を選ぶことが必要です。
海洋散骨の費用は、散骨の方法や業者によって異なりますが、一般的には、約10万円~50万円というところが相場とされています。
海洋散骨を安心して行うためには、海洋散骨を取り扱う専門業者に依頼することがおすすめです。
業者は法律やマナーに沿った散骨を行ってくれるだけでなく、クルーザーの手配や供花の準備なども行ってくれます。
海洋散骨を考える前に知っておくべきこと
海洋散骨とは、遺灰を海にまくことで、自然と一体になる葬法です。
海洋散骨を考える前に知っておくべきこととしては、海洋散骨は法律上問題ありませんが 一部の地域では自治体や漁協などの許可が必要な場合もあります。
海洋散骨後は墓所や供養塔などの形見が残らないため遺族の心情的な面を考慮する必要があります。
海洋散骨後は改葬や墓参りができませんので、将来的な希望も考慮する必要があります。
以上のことを踏まえてご検討ください。
海洋散骨とは?意義や手順、注意点を解説まとめ
海洋散骨は、故人の遺骨を海に還す美しい方法であり、遺族にとっても故人の思い出を大切にする手段です。
しかし、海洋散骨には適切な手順や注意点があり、手続きや費用も必要です。
遺族が故人の遺骨を海に散骨する前に、しっかりと準備し、法律やマナーを守りながら故人を送り出すことが大切です。
海洋散骨は、遺族が故人を愛する気持ちを海に託す特別な方法であり、故人との別れの場としても大切に考えられるべきです。
海洋散骨葬も含めた自然葬の種類については、遺骨をお墓に納めるのではなく、自然の中に埋葬や散骨する方法のことです。
自然葬の種類には、以下のようなものがあります。
- 樹木葬:遺骨を植樹した土中や樹木の根元に埋める
- 海洋葬(海洋散骨):遺骨を海に散布する
- 宇宙葬:遺骨を宇宙空間に放出する
- 遺骨ダイヤモンド:遺骨から作ったダイヤモンドを身につける
いずれも故人の生前の願いを叶え、自然との一体化を図る葬法です。